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2009.11.06 (Fri)

桃色と金色

黄金の如く色づいた、この落ち葉に埋もれて。

黄金が舞い、葉に映している太陽のきらめき。

俺はその奥深くで省みるのです。

どうやら半年も経とうが、この涙は枯れぬようで御座います。


未だ咲かぬ桜の中

俺は、躊躇しながらも決められた運命を見届けるために

もうきつくなった制服に腕を通す。

俺が何処かへ去るかも知れないと直感した母は

父に俺を現地に送るように促した。

確かに俺は帰る気がなかった。

山に登って木を眺め、そのまま野垂れ死に、

いつまでも続くであろう虚無空間を彷徨う覚悟で居た。


咲かぬ桜並木を浮かぬ気持ちで踵をめぐらせる。

未だ見ぬ運命は、もうすぐそこ。

何も考えないことにしていた。でも気持ちは全く浮かぬ。

向こう側から押し流れる人々は喜怒哀楽の4変化。

どうか喜と楽の2つであれとは思わなかった。

哀の暗い色を、いかに押し隠すのかしか考えなかった。


愛しの人が涙を流して笑っている。

そして、そこから同行した父の存在を完全に忘れた。


俺はどうであろうか、と最後の小規模の希望を胸に

数字の羅列に頭を上下させる。

目に映ったのは。無き数字。

いや、映ってなかった。何も無かったのだ。

刹那、楽ではないが哀でもない感情にヘラヘラと笑ってしまう。

周りの人々の表情が、颯爽と歩み消えていく。

その面に、俺に対する愛はもちろん無かった。当然のこと。

喜んでいる君たちが、はっきり言おう、疎ましく思えた。

目の前で擦れ違う君たちが、何の屈託もなく笑う。


やがてそこに俺の存在を認識してるであろう意識がないことに気づいた。

悟った。

俺はこの瞬間から、人間としての存在が忘れられたのか。

人は赤くした目には、俺という存在を認めていないのか。

はは、生ける亡霊か、俺は。

それとも、もとより何でもない存在だったのか。

すでに君たちの前から消えていたのか、俺は。

俺は父の存在を忘れたのではない、俺が忘れられたのか。


そして門を去る。

歓喜の笑顔が嘲笑に見えて

咲かぬ花びらが咲き誇るように見える。

美の一文字香る桃の花を、虚しく思うのはやはり情を忘れたからであろう。

彷徨う俺は、消えた父の背中を追う。

亡くなった人は泣けないのです。


目覚めるのに大変な時間を費やしたようです。

桜が散る頃まではずっと彷徨っておりました。

桜が散って、辺りが緑に色づいたのと同じく

徐々に知らぬ人と慣れ親しみ始めて

自分に正直に趣味を見つけ出して

ようやく自らの情を取り戻しました。

途端、透き通った涙も溢れ始めました。


それから何刹那も重ねて、やがて半年が経ちました。

今はあのころより幾分か気が楽で

すっかりこの地の上を歩むことが出来ました。

胸の鼓動が、その命を刻んでおります。


今はこの黄金の空の下、大の字になって埋もれております。

夜でもこの黄金は続くのでしょうか。


やがてこの美しき空に、

キンモクセイもほのかに香るこの空に、

黄金の木からかわいらしい実が落ちたようです。


途端、辺りに立ちこめた糞の臭い。

黒百合もその美しさとは裏腹に、

受粉の手だてである、蝿をおびき寄せるため

恐ろしいほどの異臭を放つようで御座います。


俺は鼻を摘んで黄金の空から抜け出して、その後は木枯らしの如し。


やがて時が経ち、雪に俺の足跡は残るのでしょうね。

今度は桜の桃色を、美しと思えるのでしょうね。

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